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図解雑学 フェルマーの最終定理 富永 裕久(著)


この本ではフェルマーの最終定理の証明は分からない

1章から6章までとても良くできた整数論の概論になっている。5章からフェルマーの大定理の証明の説明に入っていくのだが、前半の整数論の概論とあまりうまく連結されていないようだ。特に7章の解決を扱う部分では、谷山=志村予想、楕円曲線とモジュラー形式の説明がウソのように簡略で、ワイルズの成果まで時系列で駆け足に追っているだけという印象を受ける。これでは「最終定理の証明」は分からない。著者か編者が、整数論概説とフェルマー大定理の話題の両者を一冊にまとめようと欲張ったせいではないか?結論としてフェルマー大定理については失敗しているが、前半の整数論の解説はとても分かりやすいので、フェルマー大定理の話題は割愛して『図解雑学 初等整数論』とタイトルを改めた方がよい。その方が読者が誤解することがないと思う。

学習参考書世代への数論入門書

最近はやりのEコマースなどでも使われる数論の初歩をレビューするには読みやすい。見開きのページごとに主題となる数式に、ちょっと計算を試せる例題とともに数学的道具立てを見ていける。

このため、学習参考書慣れにより自分では知識を探す能力を失いかけた人たちにとって、読みやすくできている。

しかし、表題の「フェルマーの最終定理」まで引っ張ったことでいろいろな無理が生じているようだ。

たとえば「虚数除法」という初めてお目にかかった語句が使われている。おそらく「虚数乗法」(英語:Complex Multiplication)のことなのだろう。

どんな手抜き調査をもとに本を書けば、こうしたことばが生み出せるのか興味深い。

この本の中盤までの解説の手際がなかなかのものだっただけに、「数論入門」で終わっていれば、評価の星を増やせたと思う。残念なことである。

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