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図解雑学 クローン 中原 英臣(著)


校正にもう少し注意を

遺伝子の仕組みを概説した後、クローン羊ドリーの誕生の経緯を書く。
さらにトランスジェニックが人類に寄与する可能性、
最後にクローン技術の抱える倫理的問題について触れる。

タイトルは図解”科学”ではなく、図解”雑学”となっている。
飽くまで雑学として、子供から大人までを対象とした早分かり本という位置づけであり、
「クローンとは何か?」という事について、最低限のイメージを読者に把握させることを目的としている。
突っ込んだ内容を期待するのはそもそも間違いであるから、章立ても構成もまずまずといったところ。

指摘しておきたいのは、記述のミスが散見され、校正の甘さが浮き彫りになっている点。
塩基名「グアニン」が一字間違っている点が数箇所見受けられる。
64頁などは左ページに「グアニン」「グアシン」とあり、
右ページでは「グアチン」と、見開きに3種の名前が記述される混乱ぶりである。
これでは初学者にはどれが正しいのか分からない。
アデニンと結合する塩基が「シトシン」となっている(P56-14行)点などは看過できない物がある。
他にも副詞の用法が違っており文脈が乱れているところがいくつか見られる。
お手軽な早分かり本とは言え、校正はもう少し慎重に行うべきかと思う。

※レビューは2000年8月版。版を重ねた後に修正されているかも知れません。

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