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図解雑学 算数・数学 大矢 浩史(著)

過大な期待をせずに気楽に読むべし
この本で実際に計算が得意になったり、数学の成績があがるなどという過大な期待さえしなければ、数学にまつわる読み物として結構面白いものである。文字どおり雑学としての算数、数学の本で、小中学から高校レベルまでのトピックを拾って分かりやすく解説されている。十進法、ゼロ、小数、分数、指数、対数、負数、虚数のような数論から、三角関数、方程式、因数分解、図形と式、確率・統計など主要なトピックが扱われているから、人によっては手軽に数学の概念を復習する本として役立つかもしれない。どちらにしろ肩肘張らずに、気楽に読むべき本である。ナツメ社の『図解雑学』のポリシーに合っていると思う。
深層心理 (図解雑学シリーズ) 渋谷 昌三(著) 1365円

分かり易い
日常生活で見つかる人の何気ない行動を分析することで、その複雑な心理を科学的な視点から解析する。寝相、夢、髪型、口癖などからわかる心理や、深層心理を『利用』した人間関係処理技術について詳しく述べられている。
図解雑学シリーズならではの絵をうまく使った説明で、非常に分かり易い。
そのくせ書いてあることは常識的でないこともあり、読んでいて楽しい。
オススメの一冊の一つである。
数論とフェルマーの最終定理 (図解雑学) 関口 力(著) 1365円

「博士の愛した数式」の次へ、STEP UP!
今話題の藤原正彦先生は、数学や数学者を通して、人間に対する洞察と示唆を与えてこられた。そして藤原先生に霊感を受けた作家の小川洋子さんの小説も大ヒットした。
そこでこれらの著書に親しまれた方々にお勧めするのが、パラダイムであった「数学」自体に案内するこの本。イギリスのワイルズ教授が、1995年に解明したフェルマーの最終定理の構造を説明したものである。
フェルマー最終定理については、他にも本が出ています。しかし、本書は図解雑学シリーズの長所が出ていて、見開きで数式を交えた解説が感銘に施されている。素数とは何か?などの基本的な知識から、掘り起こすことができる。
「数学者の物語」に感動したお母さんが、大学受験中の息子に本書を贈る!なんていうのもよいかもしれない。
哲学の数学的観点
最近、私は哲学や思想といったものに興味を持っており、
この本のはしがきの部分を立ち読みをしていたときに、
「数学という学問はすべての学問を包括した哲学のようなものだ」
という部分に強く心を魅かれ、購入を決意しました。
数学というと、中学高校とひたすら問題をパターン認識して、
計算間違いしないように、解き続けると言うものでした。
しかし、本当の数学とはそのようなものではありません。
生まれた原点があり、歴史的な背景があり、論理があります。
そういった部分が分かりやすく図解されていると思いました。
数学を本質的に考えるための第一歩を踏み出したい人にはお勧めです。
進化論 (図解雑学) 中原 英臣(著) 1418円

悪くはないのだが・・・
ダーウィン進化論とダーウィン以外の進化論にちょうど半分ずつ分けて紹介している。
右側ページを図説に当てているため非常に理解しやすい。
また当時の社会情勢や思想、社会進化論として人種差別に利用された背景なども説明されており話題が広い。
ただし後半になると様相が変わる。ダーウィン進化論の矛盾、欠点としてあげられているのはどれも100年前の議論ばかり。
疑問に答える形であればいいが、進化論がそれらの疑問にどう答えているかを掲載しておらず、
ダーウィン進化論に問題があるかのような印象を与える。
また現代の進化論者を「ダーウィン以外」としてしまっているのも違和感を感じる。
ドーキンスヤグールド、木村資生はいずれもダーウィンの理論を発展させた新ダーウィン主義と呼ばれる人たちだ。
ダーウィン以前と以降、あるいは古典進化論と現代進化論とに分けるべきだったろう。
なぜこういう事になったかというと、著者が「ウイルス進化論」の提唱者だからではないかと思う。
ダーウィンの理論には欠点があり、それを補うのはウイルス進化論だという議論を展開している。
しかしウイルス進化論とやらは科学的に認められた物でも、十分に研究された物でもなく、
逆にたくさんの矛盾が指摘されている。
初学者であれば、どこからどこまでが広く認められていることなのか区別がつかないだろうから、
あまりおすすめしたくない。手前みそはわずか6ページだし、
その他の部分は非常にわかりやすい良書なだけに残念。
後半がやや雑か。
この「図解雑学」シリーズで扱うには進化論は格好のテーマかも知れない。これまで進化論の入門書として薦めたい丘浅次郎『進化論講話』(講談社学術文庫)は長年絶版状態、それに代わり得ると期待した『進化論が変わる』(ブルーバックス)まで入手難となった現在、本書は最善の進化論入門かと期待した。確かにダーウィン進化論から総合説までは1ページ毎の図解付きで確かに抜群の分り易さ。ただその後の「ダーウィン以外の進化論」以降の章になるとやや記述が散漫というか恣意的な感じがしてあまり感心しなかった。
中盤までのダーウィン進化論及び現在の主流、総合進化説入門と割り切ればベストな入門書だと思う。