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図解雑学 液晶のしくみ (図解雑学シリーズ) 水田 進(著)

2002年時点で液晶理解へのベストバイ(ハードルも高い)。
液晶の歴史から始まり、分子が並ぶ仕組み、並び方から、実際の最新液晶表示装置への応用まで、非常に欲張りな1冊。
とはいえ日進月歩の世界なので「現時点で」としておきましょう。もっとも、次世代表示装置がいろいろ提案され、液晶が今後も主流たりうるか微妙なところ。
入門書というにはハードルが高い。理解しやすいよう基礎から応用へと並んではいるのですが、巻頭で筆者自ら宣言しているように、後半は大学院ゼミレベルの知識を必要とするものも多い。
頁によって難易度はあるものの、各頁に書かれている現象をキチンと理解するには、巻末の参考書類を駆使する必要のありそうな手強いところもあります(例えば液晶が特殊な光である偏光を制御する仕組み。あるいは、こんなページはないものの「なぜこの分子が光を制御できるのか」キチンと説明するのは非常に難しいです)。
全頁一通り自分で他人に説明できるようなら、大学で液晶概論を講義できるだろう、という挑戦的な内容です。ノート代わりに書き込みだらけにしてみてはどうでしょう。
図解雑学 プラスチック (図解雑学シリーズ) 佐藤 功(著) 1260円

身近なプラスチックのことがわかります
工学的なことをかなり詳しく解説しているように思います。読みやすさにも配慮があってよい本だろうと思います。身の回りのプラスチックの話ですので興味も持ちやすいのではないかと思います。
チョーおもしろい!!
私は化学の知識など一切ないフツーの中年女子ですが、物の組成に興味があって、こういう本を探していました。
この本は横書きで、左項には文章解説があり、右項にはその内容を大まかにイラストとキーワードでまとめています。
見開きごとに少しずつ理解が深まるように設計されており、一歩一歩階段を昇るというよりも、ゆるいスロープを楽に歩いて上るような感じです。
印刷は黒と青の二色のみで、これがまた読みやすい!
入門書って、ページを開けた瞬間、字やら絵やらで圧迫されることが多いけれど、これはアッサリしています。
地味だけどかなり上手いやり方だなと思いました。
文章は簡潔で読みやすく、非常にうまいです。
本来は難しい話のはずなのに、こんなふうにサラッと表せるなんてすごいな〜と感心してしまいました。
もちろん多少の化学式や表は出てきますが、そういうものが苦手な人のことを排除しないように配慮されているので、たまに「?」があっても気にならず、気持ちよく読めました。
そうそう、うちに「何度落しても割れないプラスチックのコップ」があり不思議に思っていたのですが、これを読んで謎が解けました。
元素 (図解雑学) 富永 裕久(著) 1575円

全元素の電子配置を図示しているのは本書のみ。
全ての元素についてその電子配置を省略なしに図示している。原子番号が増えるにしたがって、電子がどの電子軌道に入るのかがよくわかる。特にd軌道、f軌道のからむ遷移元素の電子配置の様子がよくわかるのがいい。よく周期表を見せるくせに遷移元素の仕組みをほとんど教えてくれなかった高校化学に対して不満を持っている人に最適だ。本書を見れば真に周期表を眺めることが楽しくなってくるだろう。
よく化学の本では「s軌道、p軌道、d軌道、・・・」と書かれていたりする。まるでd軌道の次に10個も20個も副軌道があろうかと思わせる書き方だ。この本を見れば副軌道は「s、p、d、f」の四つしかないことが明確にわかる。またこの順番に四つずつ収納できる電子が増えていくことも、逆ピラミッド形の図解でよくわかる。
副軌道の理屈を理解するには他の本が必要かもしれない。(齋藤(斎藤)勝裕という人の本がオススメです。副軌道についてはこの人の「化学結合」という本と2冊の「無機化学」という本がよいでしょう)
ただ、全ての元素についてその副軌道を一切の省略無しに図示しているのは、私の調べた限りでは本書のみであり、ビジュアルな電子配置を頭に入れておくのに最適な本といえよう。
身近な元素の使われ方のわかる本。
中学・高校時代の化学の時間は何となく憂鬱だった。数学の授業同様に、授業中は幽体離脱を起こしていたと思う。
周期表の元素記号を覚えたはいいが、その元素その物が、日常生活において何に使用され、
どのようになるのか?その様な元素の性質を正確に把握せぬまま、そこから化学反応式を書き、訳の分らない元素記号を編み出す。
私は、陰気臭い教科書を手に、そんな授業をつまらなく感じた化学が苦手な人間の一人である。
しかし、この本は只漠然と元素記号を覚えていくだけではなく、各々の元素が日常生活において何に使われ、どのように発見されたか?その性質は?原子量・融点・沸点・密度等が事細かに記載されており、英語読みの表記もあるのでただ読んでいるだけで、最低限の授業に必要な元素の以上のものが覚えられそうである。
そして、様々な元素が有害・無害・有益な形で存在しており、解説の中には文学・歴史上の出来事等の事例も豊富に紹介してある為か、意外にも文系の私でも楽しく読め、元素が身近な物質であることを改めて認識させてもらった本でした。
化学が苦手な人は是非手にとって読んでいただきたいです。
化学式への理解が深まるかもしれない。
「マンガ化学式に強くなるーさようなら「モル」アレルギー」高松正勝・著もお勧め。
2005年までの報告を含んだ、元素/周期表の図解入り入門書
原子番号1〜118までの元素に関する特徴・名前の由来・利用方法・発見のエピソード等が手短に説明されています。なお本書(初版)は2005年10月までの情報を盛り込んでいます。つまり2004〜05年に日本の理化学研究所が初めて報告した113 Uut(ウンウントリウム)について触れられています。(未確認元素の仮称はUu?となっていますが、その命名規則の記載あり)
図解雑学シリーズらしくイラストも多く読みやすい作りになっており、化学の基礎・歴史が分かるように配慮されているところに好感が持てます。外国人の名前のスペルも併記されていると良かったのですが、入門書ということで目をつむりましょう。電子構造に関する説明(例:金が金色の理由、水銀が液体の理由)や元素形成プロセスに関しても触れられているので、好奇心旺盛な高校生(理系コース)〜大学生初学年の方なら面白く読めるでしょう。なお元素発見のドラマ等に関する読み物としては(巻末資料の他に)次の本は面白いのではないでしょうか?
・マーカス・チャウン著「僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して」、ピーター・アトキンス著「元素の王国」
周期表に関して興味のある方は「一家に1枚周期表第2版」(カラフルな写真・イラスト入り周期表、A2版)、「エレメンタッチ」(前野悦輝教授による立体周期律表)、「拡張周期表」(シーボーグ)、「WebElements」をインターネット検索されてみては如何でしょうか。お好みの周期律表を部屋に飾り、本書等の入門書を読めば、元素周期表に更に親しみが沸くことと思います。まさに「科楽」ですね。(^-^)